富士山からの雪解け水が豊富に湧き出る場所が忍野八海です。池の下まで見えるほど水の透明度は抜群で、川中ではバイカモの花を見ることができます。

忍野八海は、富士山の北麓に位置する忍野村の、出口池・お釜池・底抜池・銚子池・湧池・濁池・鏡池・菖蒲池の8つの湧水池の総称で、この辺りは富士山の絶景スポットでもあります。また澄み切った水が豊かに流れ、マイナスイオンもたっぷり。昔ながらの茅葺屋根の民家や、田園や川の流れなど、鄙びた雰囲気がどこか懐かしさを感じさせる風景も魅力です。
忍野八海の8つの池は、かつて山中湖と1つの大きな湖を形成していましたが、溶岩流により分断、大部分が干上がったことで現在のような8つの池となりました。富士山の雪解け水が地層で約80年かけてろ過され、透明度の高いキレイな水が、池に豊富に湧き出てきます。忍野八海の湧水は、全国名水百選にも選ばれて、かつては「清浄な霊水」と呼ばれ、富士登山者たちのお守りとして重宝されたそうです。ですが、最近では水質の悪化や湧水の枯渇などの諸問題にも直面しています。現地の人たちの水質保全への努力と、旅行者のマナーの改善が求められます。

湧水はこんこんと湧き出て、基本的に無料で汲むことができますが、せっかくなのでお賽銭を入れて、ペットボトルに入れてきました。市販されているミネラルウォーターの味ですが、実際に富士山を目の前にして飲むと、80年かけて湧いて出てきた水なんだと、美味しさとありがたみも倍増します。
さて、8つの池にはそれぞれ伝説や言い伝えがあり、池の名前の由来にもなっています。
例えば底抜池には次のような言い伝えがあります。忍野村では昔、食器や野菜、着物などを池の水で洗っていたそうです。洗い物を底抜池で落っことすと行方不明になり探しても見つからず、数日後、池の底をくぐってお釜池に浮かんでくる、と言われています。これは池の神様が、池で物を洗うことを嫌っているからだと言われれ、人々に恐れられるようになりました。ここから底抜池の名がつけられたそうです。それぞれの池に伝説があるので、調べてみるのはおもしろいですよ。

池は深いけれど、水が澄みきっているため底までばっちり見えます。水中には水草がゆらゆら揺れて、ニジマスやコイが群生しています。湧池には、これらの魚に混じって、真っ白に光っている魚が1匹だけいたのですが、その姿はとっても神秘的で、まるで神様の使い?のようでした。
また、忍野八海には含まれないのですが、村の中心部分にある「中池」は本当に美しかったです。中池は自然に湧いたものではなく、人工的に掘られ引水された池なのですが、見て一番感動した池です。吸い込まれそうなくらい真っ青で、投げ込まれたコインが池の深い場所でキラキラ光り、まるで宇宙のようでした。安易な表現ですが、本当に「宇宙」という言葉がピッタリだと思います。